闇金に関する基礎知識

闇金業者の見分け方

無登録業者かどうかを確認する

財務局や都道府県の登録を受けていない、無登録業者は貸金業を営むことは出来ません。

登録番号(例)
○○県知事(○)○○○○○号
○○財務局(○)○○○○○号

ただし、登録番号を明記している業者であっても、正規業者の名称や番号を詐称している場合もあるため、登録番号の有無だけでヤミ金業者かどうか判別することは難しいのですが、少なくともこの登録番号を明記していない業者についてはヤミ金であると言えます。
疑わしい場合には、主たる営業所等の所在地を管轄する財務局、または都道府県の貸金業担当課に問い合わせ、実際に登録されているかどうかを確認して下さい。

金利を確認する

以前は、出資法の上限金利は29.2%、利息制限法は20~15%となっていましたが、平成22年6月18日に貸金業法が改正され、出資法の上限金利は20%に引き下げられました。
貸金業を営むものが、20%を超えた金利で貸し付けを行っている場合は、出資法違反で刑事罰が課せられます。
また、利息制限法と出資法の上限金利の間で貸付けると貸金業法の法令違反で行政処分の対象になります。

出資法の上限金利 年20%は、1日当たり、約0.05%(20%÷365日=0.05479…)となるため、借金1万円につき、1日あたり5円が上限利息となります。
つまり、これを超える利息をとることは、本来貸金業者が守らなければいけない利息制限法違反となるため、闇金業者と言えます。

次に、闇金業者の金利について見ていきましょう。
以下の表では、単利の実質年率と、10万円借りた場合の1年間で付く利息の金額についてまとめています。

利息の種類 単利の実質年率 10万円借りた時の1年間の利息
トゴ (10日で5割) 1,825% 1,825,000円
トサン (10日で3割) 1,095% 1,095,000円
トイチ (10日で1割) 365% 365,000円
ツキイチ (30日で1割) 120% 120,000円
銀行系消費者金融 18% 18,000円

この表では単利で計算していますが、違法金利で貸し付ける闇金業者のような場合、実際には複利計算をします。
そのため、返せない場合は元金が急速に膨れ上がることになります。
トイチやトサン、トゴなどに比べ、金利が低いとされているツキイチであっても、一度も返済していない場合、1年後には借りた金額の倍以上になるのです。
そして、現在、主流になっている闇金業者の金利は、トヨン(10日で4割,年1,460%)、トゴ(10日で5割,年1,825%)が主流となっています。さらに悪質なものとなると、金利が1日1割(年3,650%)という途方もない高金利をとるヤミ金融も存在しています。

闇金業者のチェックポイント

貸金業者に融資を依頼した際に、このようなケースが見られた場合は、ヤミ金業者だと考えてよいでしょう。

  • 年利20%を超える金利(十日で一割・三割・五割(トイチ・トサン・トゴ))での融資を持ちかけられた。
  • 融資を受けた後、取り立て・督促などで暴力的な表現や威圧を受けた。
  • 貸金業者から飯場(はんば)や風俗店・タコ部屋などでの労働を臭わせられた。
  • 貸金業者への連絡手段が携帯電話のみだった。
  • 他の消費者金融を含め、ヤミ金業者や聞いたことのない消費者金融での借金の一本化を持ちかけられた。
  • 連絡した貸金業者ではなく、別の貸金業者を紹介された。
  • 貸金業者の名称に大手企業の名称を使用していた。

金利の計算

金融業者でお金を借りると、利息を支払わなくてはいけません。
この利息を調べるための計算方法は、
利息 = 利用残高 × 実質年率 ÷ 365 × 利用日数
です。

法定金利である18%で借りた場合

100万円を実質年率18%で借りた場合、1ヶ月(30日間)の利息は、
1,000,000 × 0.18 ÷ 365 × 30 = 14,794円

違法金利であるトイチで借りた場合

100万円をトイチの実質年率365%で借りた場合、1ヶ月(30日間)の利息は、
1,000,000 × 3.65 ÷ 365 × 30 = 300,000円
ということになります。
闇金の金利は、複利で貸し付けている場合が一般的なので、利子にも利子が付くことになります。
そのため、返済しないでいれば利息も雪だるま式に膨らんでいくことになるのです。

以下がその複利計算の場合(千円単位で四捨五入)です。

日数 元金  トイチ利息  返済金額
10日目 100万円 + 10万円 = 110万円
20日目 110万円 + 11万円 = 121万円
30日目 121万円 + 12万円 = 133万円
40日目 133万円 + 13万円 = 146万円
50日目 146万円 + 15万円 = 161万円
60日目 161万円 + 16万円 = 177万円
70日目 177万円 + 18万円 = 195万円
80日目 195万円 + 20万円 = 215万円
90日目 215万円 + 22万円 = 237万円
100日目 237万円 + 24万円 = 261万円

ちなみに単利トイチは年利365%であるのに対し、複利トイチは年利3142%となります。
トイチですら、このような数字となるのですから、現在主流になっているトサン、トゴで考えた場合は、途方もない金額になるのです。
そのため、どれだけお金に困っていたとしても、上限金利の範囲内で借り入れることを心がけるようにしましょう。